有名人の関係した殺人事件や自殺事件は大衆の心に大きく影響を及ぼす。心が生み出す心霊現象や都市伝説もそのような事件の影響受けやすいものだ。
アトラスでも有名人がらみの事件や都市伝説をいくつか掲載している。
「沖雅也の幽霊が自殺現場のホテルの周辺で目撃されている」「ナタリーウッド水死事件で再捜査」などが代表的な記事であるが、有名人に関わる事件だけに多くの妄想とフォークロアを生んでいる。
有名人の自殺で最も衝撃的だったのは、岡田有希子の自殺である。この自殺事件に関してもアトラスでは記事にしているが、その自殺を境に数多くの集団ヒステリーのような心霊現象、不特定多数の人に拡散する都市伝説が生まれている。
代表的な例は岡田が死亡した後も「さんまのまんま」「夜のヒットスタジオ」など数多くの番組に出演していたという心霊話とか、最近では岡田の死亡した日に生まれた沢尻エリカが岡田の生まれ変わりであると言う流布話も拡散している。
昨日、1991年8月に放送されたABCの「サイキック青年団」の心霊特集が「幽霊タクシー」の逆パターンを拡散したんではないかと記事で指摘させて頂いたが、この時の放送回は岡田有希子の都市伝説にも触れている。
当時の北野誠のマネージャーで久米という人物がいたそうだが、その人物が当時ある宗教団体に属しており、その同じ宗教団体の信者である予言少女が岡田の自殺を夢の中で予知していたということが報告されていた。
予言少女は岡田が自殺する10日ほど前、奇妙な夢を見た。ビルの屋上で岡田と遊んでいた少女は、岡田にこんなことを言われた。
「一緒に飛んで」
しかし、ビルの屋上から飛ぶのが嫌だった少女はこれをキッパリと拒否した。それから10日ほどして岡田がサンミュージックのビルから飛び降りてしまう。
しかし、その岡田が亡くなった後もまた彼女は夢に出てきてこんなことを言ったというのだ。
「花束だけでもいいから持ってきて」
結局、少女は多忙だったために岡田の献花台には行けなかった。しかし、テレビ中継でアップになった画面に映った芳名帳を見ると、その予言少女の名前と住所がなぜか書かれていた。献花に行ってないにもかかわらず、なぜ芳名帳に少女の名前と住所が書かれているのか、謎のままであった。
なお、予言少女は名古屋の女子高生2人が飛び降りた事件の前にも、夢の中でビルの屋上で2人の女子高生から「一緒に飛び降りよう」と言われている。
不思議な話である。名著「少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」 (カッパ・サイエンス)」にあるように、未成年の女性にはなんらかの巫女的な役割があるのかもしれない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)