2009年、バービー人形を意味するBarbie.aviという題名の映像がYoutubeに上げられた。
動画を再生してみると、画質がかなり悪いものの、金髪の若い女性が誰かと対話しているらしい様子が見て取れる。気になる点といえば、画面は大きいにもかかわらず、首から上しか映されていない、バストアップですらない点だろうか。
この映像をアップロードした男性はある日、ホームパーティーに出席。したたかに酔いつぶれてしまい、帰るためにタクシーを呼ぶことにした。すると、タクシーを待つ間に奇妙な音が外からするのに気がついた。
窓から見える外には大きなゴミ箱があり、そこにコンピューター(一昔前にあったHDDとブラウン管モニターが一体化したもの)が棄てられているのが見えた。モニターは割れており使い物にならなかったが、中の部品は壊れていなかったため、ちょうど自身のコンピューターの部品を必要としていた彼はやってきたタクシーにコンピューターを乗せ、一緒に持って帰ることにした。
帰宅して後にパソコンを繋いでみた所、廃棄されたパソコンは問題なく作動した。廃棄するためにデータを整理したのだろう、デスクトップもきれいなものだったが、唯一「Barbie.avi」という動画ファイルのみ残っていた。それがYoutubeにも上げられた動画だったのだ。雑音もひどく、女性が自分の肌について何か話しているらしい以上の事は解らなかった。映像は1時間あり、ずっと何者かと会話しているようだったが、後半にいくにつれて女性の表情は固まり、最後には泣きだしてしまった。
映像がそろそろ終わる頃になったところで、急に映像が切り替わり何者かが自撮りしながら線路上を歩いている画面が現れ、やがて撮影者が森に続く木の板で作られた道の上を歩いていって映像は終わった。
この線路が、自分がパーティーに参加した家の近所にあった線路ではないかと思った男性は、その線路を訪れてみる。すると、確かに近くに木の板でできた道が存在し、その先に廃墟があった。しかし、廃墟の家具は不思議と新しかった。好奇心にかられて彼が家の中を探索してみると、トイレに水が半分ほど溜められた浴槽がある事に気がついた。
その時いきなり女性のうめき声がしたので、男性は思わず家を飛び出してしまった。自分が聞いたものが女性の声だったのか、野生動物のものだったのかは解らなかったが、動画や自分が森の廃屋で見たものなどが不気味だったため、男性はこの動画をYoutubeに上げることにしたのだという。
関連動画
barbie.avi
barbie.avi (part 2)
barbie.avi (part 4)
ちなみに動画は15分ずつ4本に分けて上げられているが、現在残っているのは1,3,4のみ。3番目の動画では女性の上半身が映るが、腕の片方がない事が見て取れる。また4番目の動画では冒頭に(BIID)というテロップが登場する。これは身体完全同一性障害(BIID:Body Integrity Identity Disorder)の略称であり、自分自身の体の一部を認められず、四肢の欠損を自ら望んでしまうという精神障害を指す。
つまり、この女性はあの廃屋で「理想的な体になるために」自らの四肢を切り落とし、次に皮膚を除去しようとしているのではないかと噂されたのである。
映像の題名はアメリカの有名なバービー人形と同じ名前。人形のように手足を取り外し、より理想的な外見になろうとしていたのではないだろうか…
それが、「Barbie.avi」にまつわる都市伝説である。
(加藤史規 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画©xenopasta YouTube