田中角栄と言えば、昭和を代表する偉大な政治家である。
コンピューター付きのブルドーザーと呼ばれ、小学校しか出ていない角栄が東大を卒業した官僚たちを見事に操縦してみせた。惜しくも、中国寄りの外交戦略をとったために、アメリカによってロッキード事件を演出されてしまったと言われているが、その実像は今に至っても、評価が真っ二つに分かれている状態だ。
現在、角栄に関する本が続々とベストセラーになっている。その逸話や格言がビジネスシーンや人生の決断に参考になると言われているからだ。
2018年2月13日、TBS系列で放送された「教えてもらう前と後」で角栄の特集が組まれた。なんと豪華なことに再現ビデオの田中角栄役は梅沢富美男が熱演していた。
番組の中で取り上げられたいくつかのエピソードを紹介しよう。
角栄の目白の自宅から、新潟県の実家までなんと3回曲がるだけで到着すると言われている。実際に番組では、車を走らせてみて検証していたが、事実3回曲がるだけで到着していた。
角栄の代表的な著作と言えば「日本列島改造論」であるが、この著作に対する伝説も残されている。角栄の前に押し掛けてきた記者たちが口々に「日本列島改造論」を読んだと角栄に報告するのを聞いて、一言こういった伝えられている。
「そうか、俺も読んでみようかな」
角栄の持論で「お祝い事は遅れても良いが、葬式は真っ先に駆けつけろ」と若い政治家たちに教えていたという。角栄自身、支持者が亡くなった時は、いの一番に駆けつけて、人目をはばからず号泣した。そして、葬式の時に贈られた花が枯れる葬式から1週間経った時に、新しい花を贈る気遣いを見せていた。
角栄の人心掌握術は官僚に対しても行われていた。全省庁の課長以上の人物の誕生日、結婚記念日を記憶しており、そのたびに贈り物送ったと言われている。しかも、官僚の息子や娘の誕生日さえも把握していたといた。完璧な気遣いである。
政治家に対しても角栄は最大限の配慮を行った。角栄の派閥に入る政治家に対して毎年当時のお金で数百万円の資金を提供した。これは現在のお金に換算すると1千万以上に該当するらしい。そして、何回か当選を重ねると確実に閣僚のポストがあてがわれたという。
最後に角栄の興味深い格言が紹介されていた。世の中にはどちらでもないグレーゾーンが一番広い。天下を取るためにそのグレーゾーンを取り込まないといけない。真理をついた言葉だといえよう。
アトラスでは過去に田中角栄に関する記事を掲載している。「子供向けソングが流行ると政財界桜何する」などである。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)