ザ・スパイダースと言えばグループサウンズ(GS)時代を代表する人気バンドだ。ザ・タイガースやザ・テンプターズと並び多くの女性から支持を受けたバンドであった。ザ・スパイダースのメンバーはそれぞれ個性的であり、堺正章や井上順、かまやつひろしらは、グループ解散以降も多大な実績を残している。
2018年2月12日、TBS系列で放送された「歌のゴールデンヒット -青春のアイドル50年間-」において、ザ・スパイダーズの現役時代における興味深いエピソードが披露された。
とにかく当時すごい人気で、コンサート会場やテレビ局から出る時は、トラックの荷台に隠れて脱出したほどであった。また、堺はとにかくファンに対してマメであり、事務所宛に届く年賀状には全て目を通し、直筆の年賀状をファンに送っていたという。
しかし、ファンというのは移り気であり、堺の名前を書いたうちわの裏側には沢田研二と書かれていたこともあったようだ。
ある時、米軍でのライブの仕事が決まった。ベトナム帰りの気の荒い兵士が多いので危ないこともあるかもしれないと聞いていたが、事件は3曲目に起こった。3曲目を歌い出すと、場内が騒めき始めた。
「この曲、人気あるのかな」
と堺は思っていたが、会場でいきなり殴り合いが始まった。しかも、その殴り合いはどんどん会場内に拡散していく。
「逃げるんだ!」
関係者の指示により、ザ・スパイダースメンバーは一斉に逃げ出した。米軍基地内を走っていると、後からかまやつひろしが叫んだ。
「ジグザグに走れ、後から機関銃で撃たれるぞ」
メンバー全員は基地の敷地内を必死になってジグザグに走ったという。
昭和時代のハチャメチャな様子がうかがえるエピソードだ。
グループサウンズ時代のエピソードに関してはアトラスでも何度か取り上げている。「安岡力也は70人相手に大乱闘」「内田裕也都市伝説、ロックンローラーに湯船はいらない」「沢田研二は声を守るため容姿を捨てた」などが人気記事である。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)