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半魚人の神を信仰、五角形の家 謎めいた遺跡「レペンスキ・ヴィル」





世界中にはまだまだ調査段階であり、謎めいた遺跡が多数存在している。

セルビアのドナウ川沿岸から発掘されたレペンスキ・ヴィルもその一つだ。紀元前7000年頃に成立し栄えた農耕文明の遺跡なのだが、その遺構から確認できる特徴は非常に独特で、世界的に見ても珍しい点が幾つも確認できた。

特に異質なのは住居である。世界的に見ると、古代の人々の住居は円形の基礎をもつ物が大半である。だが、レペンスキ・ヴィルの住居は五角形や長方形のものが多く、家の中に段差のある構造が多かったのである。

この遺跡からは神をかたどったものと考えられる石像も発掘されているのだが、幾つかはエラやヒレらしきものが確認できる半魚人のような姿をしているのだ。

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Lepenski Vir archaeological site – Serbia, Djerdapska Klisura National Park





古代文明の中には、創造神や豊穣をもたらす神が魚のような姿をしているとする伝説を持つものも存在している。シュメール神話のオアンネスやダゴン、アフリカのドゴン族の神話に登場するノンモなどだ。シュメール神話の場合は自分たちの祖先が海を渡って現在の土地にたどり着いた事を魚の姿で表現したのではないかとする説がある。また、雨による恵みを表現するため、水に縁の深い魚で表現したのではとする説もある。

ともあれ、これらの地から遠く離れたレペンスキ・ヴィルでも同様の魚のような神が信仰されていたと考えると非常に興味深い。更なる発掘により新たな発見がなされるのではないかと、多くの考古学者が見守っている遺跡である。

(加藤史規 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)