俳優の東幹久は不可解な体験を数多くしている。その体験の多くがまるで都市伝説のように意味不明な話が多い。
ある日の夜、東が自宅マンションでくつろいでいると、突然チャイムが鳴った。
「ピンポーン」
(誰か来たのかな・・・)
そう思って、東がモニターを覗くと誰もいない。マンションの入り口にあるチャイムではなく、直接部屋のドアの横にあるチャイムを押したらしい。
(マンションの入り口を通過して直接この部屋のチャイムを鳴らしたのか)
そう思った東は、玄関ドアの所まで行ってドアスコープで外を覗いてみた。
(ええっ)
ドアの前には全く同じ顔と同じ体型をした双子の男が悠然と立っている。あまりに不気味な雰囲気なので、東は一度リビングに戻り気を落ちつかせた。
「ピンボーン」
再びチャイムが鳴った。東は勇気を振り絞って再び玄関ドアに行き、もう一度ドアスコープを覗いてみた。
(うわっ)
東は思わずのけぞった。ドアの前にはあの双子がまだおり、ドアスコープのほうに顔を”にゅーっ”と近づけていた。ものすごく恐ろしくなった東は、再びリビングに戻り恐怖に震える心を落ち着かせた。
(よし、行くか)
さらに時間をおいてドアコープを覗きに行くと、諦めたのかその不気味な双子はもういなかった。
(怖かった。いなくなってくれてよかった)
東そう思いながら部屋に戻った。しかし、気になるので、マンションの出入り口が見える窓のカーテンを少し開けて下を覗いてみた。
「わ、わっ」
先程の双子がこちらの部屋の様子を伺うように、自転車を手で押しながら(じっ〜)と見つめていた。東が恐怖のあまり全身を硬直させていると、その双子は踵を返して自転車に乗って立ち去っていった。
あの双子が一体何者で、一体何のために東の部屋を訪ねたのか、今もって謎だという。
アトラスでは双子に関する記事を投稿にも掲載している。「江口のりこ天狗伝説、双子の姉がプロデューサーに間違われた」「女優・杏が双子を出産した後、ネットでバッシング」「阪神大震災は双子の地震」などである。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)