カナダのトロントに存在するジブラルタルポイント灯台は、昔から海を行き交う多くの船の助けとなり、地元のシンボルのようにもなっている。
だが、現地の人々には幽霊の伝説でも知られている――200年以上経った現在でもなお語り継がれ、目撃されつづけている灯台守J.P.ラダン・ミュラーの霊だ。
伝説によると、1815年に灯台守のJ.P.ラダン・ミュラーは、灯台付近に勤務していた兵士のグループによって殺されたという。
ミュラーは灯台守の仕事では稼ぎが足りないので、ビールを造って収入を補っていた。
兵士らも長らく彼のビールを買っていたのだが、ある日理由も解らないままにミュラーから一方的にビールはもう売らないと言われてしまう。
兵士たちはこれに不満を持ち、ミュラーを襲撃。灯台の上までミュラーを追いかけ、彼を殴り殺して死体を投げ捨てたという。
彼の死体はどこに捨てられたのかは今でも謎となっているが、浮かばれない彼の魂は灯台の中に留まったままだと言われている。
その後、灯台の持ち主となった人や現地を訪れた人らは様々な怪現象を目撃しているという。階段には説明のつかない血液のしみが現れたり、影に潜んでいる不気味な人影など建物内のあらゆる場所で奇妙な現象が報告されている。
先代の灯台守だったDeeDee Dodds氏は「私は幽霊に会ったことは一度もなかったが、現代まで長い間幽霊の伝説が残っていた理由は理解できる」という。
夜になると灯台を吹き抜ける風が何とも言えず不気味な雰囲気を醸し出すのだとか。今でもトロントの灯台は現地でも有名な心霊スポットの一つに数えられているという。
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(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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