ヒット曲「潮来笠」で知られる歌手・橋幸夫は、元祖御三家と呼ばれて我々の親世代に絶大な人気のあった芸能人の一人である。70歳以上の世代ならば、胸をトキめかせたこともあるだろう。二枚目歌手の元祖的な存在とも言える。
そんな橋が美空ひばりの強大な太っ腹に度肝を抜かれたという都市伝説がある。
それはある時のこと、仕事で一緒になったひばりが橋に話しかけた。
「あなたはタバコを吸うの?」
「はい、吸いますよ」
すると、ひばりは橋が吸っているタバコの銘柄を聞いてきた。
「吸っている銘柄は何?」
「〇〇です」
橋幸夫は輸入タバコのある銘柄を吸っていたので、その銘柄を答えた。するとひばりはニッコリ笑った。
しばらくして、ひばりの自宅に呼ばれた橋はこんなことを言われた。
「あなたの好きな銘柄を揃えておいたから、いつでもここにきて自由に吸っていいのよ」
ひばりが指し示した戸棚にビッシリと、橋が好きだという銘柄のタバコが詰まっていた。
「えー、こんなにたくさん・・・」
まだ、輸入タバコが貴重であり、大変高価な時代の話である。いやはやなんとも太っ腹な話ではないか。
美空ひばり=タバコというイメージはあまりない。だが、ひばりはタバコの愛好家だったらしく、
「これがなかなか止められないのよ」
そう言いながらよくタバコを吸っていたという。しかし、タバコを吸っても歌声には全く影響がなかったらしい。
アトラスでは筆者が美空ひばりのファンと言うこともあり、たびたび美空ひばりの記事を掲載している。「美空ひばりをおばあさんと読んだ少年」「美空ひばりは2人いた。影武者説」「美空ひばりの幽霊がテレビに出た」「浅丘ルリ子と美空ひばりの友情」などが人気のある記事だ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)