世界中様々な国に変わった人々が存在する。人々はその人を変わり者、変人と呼ぶが、メキシコの場合はリアルヒーローとして受け入れているようだ。
2018年1月15日、日本テレビ系列で放送された「世界まる見え!テレビ特捜部」で大変興味深い特集が放送された。
メキシコではルチャリブレと呼ばれるプロレスが盛んだ。ルチャリブレは空中殺法が主体のスタイルだが、マスクを被ったレスラーが多い。その影響だろうか、正義の味方=マスクマンと言うイメージが定着している。ゆえに、社会運動家の一部はマスクを被って市民運動している。
番組では住宅問題に悩む貧困層を助けるリアルヒーローとして、「スーパーバリオ」が紹介された。マントにタイツ、覆面と言ういでたちで、大家から立退きを迫られている住民たちを助けるために奮闘していた。彼は地震で崩壊した瓦礫の下敷きになったときに神の声が聞こえた。それがきっかけで住宅問題に悩む人々の力になるヒーローに変身したのだ
他にも、同性愛者の人権を守るために運動しているマスクマン「スーパーゲイ」が紹介された。なぜ覆面姿で活動するのかと言う質問に対して、彼はこう答えていた。「もし僕が襲われて命を落としたとしても、マスクを受け継いだ2代目3代目が活躍すれば、運動はずっと受け継がれていく」。なかなか素晴らしい発想だ。
また動物愛護の運動をしている「スーパーアニマル」も紹介された。彼は車運転中ウサギを轢きそうになり、急ハンドルを切って難を逃れた後、道端に生えていたキノコを食べ、神の声が聞こえたと言う。神のお告げで動物を守るヒーローに変身したと言うのだ。彼は牛を殺す闘牛に反対しており、闘牛を禁止する法律を作るように市議会へと毎日のように押し掛けていると言う。
日本にも新宿タイガーマスクや弊社の中沢健などがいるが、社会運動の騎手となるような存在ではない。メキシコは独自のヒーロー文化を持っているようだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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