『虹の橋』という都市伝説が愛犬家の間で広く知られている。
これは『天国』の手前に『虹の橋』と呼ばれる橋があり、生きている時に誰かに愛された動物たちは、この橋のたもとで仲間たち遊べるという。
温暖な気候で食料や飲み物も豊富で、生きていた時の身体の不調もなく、何の苦労も無く遊べる。そして、飼い主が天国にやってきた時、一緒に橋を渡っていくのだという。
この都市伝説の発生は80年代にアメリカで生まれたのではないかと推測されているが、詳細は不明なままである。
この『虹の橋』に関しては筆者は不思議な体験をしている。
一昨年の12月31日入院した我が家の愛犬ぷりん♪が6日間の闘病の末、1月5日に死んだ。クリスマスには犬用ケーキを美味そうに平らげていた奴が、27日に謎の呼吸困難を起こし、肺炎の疑いで入院していたのだ。
13歳のシーズー犬で、寿命と言えばやや早いがあきらめもつくものだが、売れないライター時代からいつも一緒だった”小さい相棒”の死は衝撃的であり、3日間程、食事が喉を通らない状態だった。
悲しいことだが、この死を乗り越えなければならなかった。1月5日は弊社編集部でお通夜をして身内だけで送った。翌6日には、犬用の葬儀場で遺体を焼いてもらった。
「わんちゃんのご遺体を焼くのは、一時間ほどかかります」と職員に言われ、かみさんと寒空の中、ぷりん♪の思い出話に興じていた。すると葬儀場の上に不思議な現象が起きた。
「なんだぁ、あれ」、僕が指差すと、かみさんと職員が見上げた。太陽の笠(廻りをまるく雲がとりまく現象)が発生しており、その上半分は、まるで橋がかかったかのような虹が出ていたのだ。
「ぷりん♪が貴方に教えてくれたのよ。霊界に虹の橋があるって」、かみさんが号泣した。
「あいつらしいなぁ、見せてくれたんだな」、私も号泣した。立ってられないほど泣いた。やはり、ペットたちの『虹の橋』は実在したのだ。
「ぷりん♪、迷わないように気をつけていけ」、私とかみさんは虹に向かって呼びかけた。すると、虹が(すーっ)と消えていった。
「ぷりん♪が行っちゃったよ」、かみさんがまた号泣した。
そのとき、火葬場の職員が焼き場のドアを開けた。「ぷりん♪ちゃん、お骨になりました」
「おかしいじゃないか、まだ30分しか経ってないし」
職員が返答した。「はい、でも早く焼けちゃったんです」
「貴方が忙しいからぷりん♪が気をつかったのよ」
私は言葉がなかった。霊界への虹の橋が出たことや、その橋が消えた瞬間にぷりん♪が骨になるとは…。
世に中には不思議な事が確実に存在する。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY