今年5月、宮城県亘理町吉田須賀の畑の土中から白骨死体が発見された。
現場は太陽光発電所になる予定であった土地で、整地作業を行っていた作業員が地表に出ていた人骨を発見。発見されたのはちょうど一人分の骨で解剖の結果、身長150センチほどの中高年の女性である事が判明した。
発見時は全身の骨がバラバラであり、また沿岸部に近い発見場所から、東日本大震災の犠牲者と事件の両方の可能性が考えられたため、警察はDNA鑑定を行うなどして捜査していた。
しかし、行方不明者に該当する人がいなかったので、外部の研究機関に依頼して人骨を鑑定した結果、なんとこの人物が今から約400年前、室町時代(14〜16世紀)の人物である事が判明した。
考古学で用いる放射性炭素年代測定による鑑定の結果とのこと。カルシウム成分を含む砂地では土壌が中和され、骨が分解されずに残るケースがあるため、今回もそのケースが該当すると見られている。警察は事件性は無いと判断し、亘理町役場に遺体を引き渡した。
亘理町の郷土資料館によると、江戸時代初期には発見された場所の地区沿岸部に集落や港が存在していた事が分かっている。この女性がここで生活し、埋葬されていた人かは判断できないが、歯の状態などから当時の食生活などが解るかもしれないと考えられている。
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