謎めいたオーパーツの一つとされているコスタリカの石球やボスニアの石球しかり、自然界で見つかった謎の球体はしばしば誰がどのようにして作ったのか解らない事から、宇宙人の関与が疑われることがままある。
1974年にアメリカのフロリダ州にてある一家が森の中で発見した金属球「ベッツ・ボール」もその一つだ。
3月27日、フロリダ州ジャクソンビルにてベッツ家の長男が私有地の森林の中で銀色の球体を発見。古い砲弾か何かと思って記念に持ち帰ったのだが、普通の鉄球とは違う特徴があると解った。気づいたきっかけは彼が家でギターを弾いていた時だ。テーブルの上に鉄球を置いていた所、曲に合わせたような音が球体から響き、やがてひとりでに動き出したのである。この時の音はオルガンのような音だったという。
謎めいた鉄球の正体や原理が知りたくなった一家は新聞社に問い合わせ、多くのメディアが取り上げた。これらメディアの記者たちの前でも、鉄球はひとりでに床を転がる様子が確認され記録されている。
多くの人々の注目を集めたものな、正体や動く原理は解らなかった。そのため、この鉄球は宇宙人が残した何らかの物体、装置や爆弾などではないかとする憶測が生まれるに至った。タブロイド紙の中には宇宙人が関わっている事実や証拠を突き止めた者には懸賞金を出す、という企画を立ち上げた物もあったほどだ。
さて、鉄球は地元のメイポート海軍基地にて分析にかけられ、内部構造を探るためにX線写真にかけられた。結果、表面は継ぎ目のないステンレス鋼で出来ており、内部は不明。海軍以外にも科学者らが分析したが、地球外の素材が見つかることも特殊な技術の痕跡もなく、単なる人工物であると結論付けられたのである。
ではなぜ、ただの鉄球が動き出したのか。様々な仮説が立てられているが、内部に空洞があり一種の共振・共鳴現象が起きていたのではないかとする説などが上がっている。
現在では鉄球の所在は不明となっているが、当時より分析技術も進化した現在ならばより謎の球体の真実に迫れたのではないかと考えられている。
関連動画
The Mystery Of The Betz Sphere
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 動画©Paranormal Junkie YouTube