スピリチュアル

「ワケあり物件に住んでいた家族」

これは以前住んでいた貸家で体験した怖い話です。家族全員それぞれ怖い体験をしていて長くなってしまうので、分けて投稿します。

私が高校生の頃から数年間住んでいた家は怪異だらけでした。この家は坂の上の一番高くなっている場所にあるにも関わらず家の中全体がジメジメしており、古く狭い平屋の2DKに建て増しで無理やり子供部屋をくっつけたために変な間取りでした。

どの部屋でも変な事があったのですが、一番怖かったのが母の部屋でした。

これは母の体験の中で怖かったものです。

母が部屋の布団で寝ていたところ、3日連続で金縛りに遭い、3日目は明らかに何者かが居る気配がしたそうです。恐怖で目が開けられなかったのですが、その何かは寝ている母の足元からのしかかるように段々と顔の方へ迫ってきました。

押し潰されそうな圧迫感と、真っ黒で恐ろしい気配が至近距離で顔を覗き込んでいるのを感じ、もうダメだと思ったら、ふいにお腹に猫がフワっと着地したような感覚がして金縛りが解け、変な気配も消えていたそうです。

母は、初代飼い猫の故・ロッキーくんが助けてくれたんだと言っています。

それから、母の部屋の窓を開けると子供部屋の裏側と塀の間に裏庭と呼べない程のスペースがあるのですが、毎晩寝ようとすると窓の外からボソボソ…ボソボソ…ゲラゲラと誰かの話し声や笑い声が聞こえてきたそうです。何を言っているかは分からないけど、何かに怒って愚痴っているような口調で、まるで誰かが窓の外に立って電話でもしているようだったと言っていました。

母は最初、私と妹が深夜に話していると思い込み、何度も子供部屋に「うるさい!」と怒鳴り込みにきました。たしかに妹と談笑している日もありましたが、お互い無言でいた時も怒鳴り込まれたので、その時は妹と顔を見合わせたのを覚えています。

母曰く、後から思い返すと謎の声はダミ声でオバサンのようだったそうです。それなら何で私と妹だと思ったんや…というツッコミはしないでおきました。

ちなみにお隣のお宅は敷地いっぱいに建てられた自宅兼工場で、母の部屋の真横はもろ工場といった雰囲気で居住スペースでは無さそうでしたし、お隣の奥さんは結構ご高齢でダミ声で夜中に話すような感じでは無かったです。お嫁さんも大人しそうでしたし、誰の声だったのかいまだに謎です。



磨りガラスなので外に誰か居れば分かるし、あまりにうるさくて腹が立ったので一度窓を開けてみたが誰も居なかったそうです。ひょっとして金縛りに遭ったのは窓を開けたせいなのでは?と思いましたが日時が不明でした。残念。

あと、窓側を頭にして寝て朝になると、明け方に窓ではない方がキラキラと明るく感じる。小さな床の間がある場所が光っている、というのを何度も体験したそうです。母はこれも結構怖かったようです。それでも引っ越しせずに耐えたのは尊敬します。笑

その他には部屋の前の廊下を誰かが歩いている気配がするのに誰も居ない、などが日常的にあったそうです。

心霊現象と湿気に関係があるのかは分かりませんが、母の部屋の押入れは家の中でも断トツで湿気が凄く、押入れの中の壁際に上下2段とも湿気取りをズラリと10個ずつくらい並べて、すのこの下にシリカゲルを敷き詰めてどうにか使えるレベルでした。声が聞こえる窓の下の壁は1週間で黒カビだらけになって掃除が大変だったそうです。

この家で暮らしている間は家族全員、体調が悪かったです。大きな病気に罹ったのは父だけですが、いつもは頑丈な母も見るからに具合が悪そうでした。

家族仲も史上最悪でしたね。我が家は家族仲がかなり良い方なのですが、この家に住んでいる間はとても険悪な雰囲気で顔を合わせたら喧嘩ばかりだったので、当時はそれぞれが怖い思いをしていることを知りませんでした。私と妹は同じ部屋だったので多少は情報交換してましたが、ここまで酷いとは思っていなかったので後から聞いて驚きました。

当時の私は何か変な事があっても、そんなもんかな?と自然に受け止めていましたが、あまりそういう事を口にしない母が「この家は本当に怖かった」と今でも言っています。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 ぞぞさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ぺるみけ / photoAC