近年AIは非常に進化しているが、逆に進歩しすぎた結果、重要なパスワードをAIが盗聴しデータ漏洩に繋がってしまう可能性が出てきた、と専門家が警鐘を鳴らしている。
今回、サリー大学、ダラム大学、ロイヤル・ホロウェイ大学による共同研究チームはMacBook Proの36個のキーを25回押し、その音を録音するようAIモデルを訓練。その結果、近くにあるスマートフォンのマイクを使って、入力された各キーを95%の精度で識別できる事が判明してしまったのである。
例えばZoom中にコンピュータのパスワードを入力した際に、打鍵音からAIがパスワードを「聞き取る」事が可能であるという。今やカフェや図書館でパソコンを使う人は普通にいるが、周囲が静かな時にパスワードを入力することでAIがパスワードを盗聴してしまい、結果的に重要なデータが盗まれるなどサイバー攻撃を受ける可能性があるというのだ。
ビデオ会議やマイク内蔵機器の増加に伴い、こういった音に基づくサイバー攻撃の脅威が高まっていると専門家は警告する。「それぞれのキーには固有の音声があり、それを記録することで、どのキーが押されているかを推測することができます。この音を聞き分けるモデルの精度が上がっていくと、AIの精度が高まりサイバー攻撃の可能性が上がるのは目に見えています」と、この研究の共著者であるEhsan Toreini博士は語る。
先日、『Diary of a CEO Podcast』に出演した神経科学者であり哲学者でもあるサム・ハリス氏は「AIは “超人間的 “になりつつあり、人類の終わりを告げる可能性がある」と述べ、近い将来オンライン上にあるもののほとんどはすぐに偽物になってしまうかもしれない。AIは最終的に我々を滅ぼすかもしれない」と語った。そして10年かそこらで、新たなテクノロジーは人間を超え、世界的な混乱を招くかもしれないとハリス氏は予測している。
AIの進歩の結果、便利になるだけでなく新たな危険性も出てくる事を我々は十分理解すべきなのかもしれない。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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