中国が2011年に打ち上げた宇宙実験室「天宮一号」が近いうちに地球へ落下する危険性があると報じられ話題になっている。
天宮一号は2011年9月に打ち上げられ、全長10.4メートル、重さ約8.5トン。直径約3メートルの円筒形で、実験装置室と物資保管室で構成されドッキングポートが存在する。
将来的な中国製宇宙ステーションとなることを計画して打ち上げられ、11年11月3日には無人宇宙船神舟8号とのドッキングに成功。12年6月には有人宇宙船神舟9号との自動ドッキングに成功するなど、華々しい成果をあげていた。
天宮一号は2013年の有人宇宙船神舟10号とのドッキング等の有人ミッションをもって実験は終了、今後のミッションは後継機である天宮二号に受け継がれることとなっていた。
実験終了の後も天宮一号は軌道上に存在していたのだが、2016年9月に機会的または技術的な理由かた制御不能になったと政府が発表。以後、空気抵抗により徐々に高度を下げて最終的には地球に落下するとされた。その墜落時期は2017年10月から2018年4月の間とみられると中国は国連に通知している。
落下する範囲は北緯43度から南緯43度にかけての広範囲であり、その中には日本も含まれる。大部分は大気圏への突入時に燃え尽きると見られているが、これだけの質量の物体の場合は燃え残る部分も多く、100キロ程度の部品が落下する可能性も存在するとされる。
大半は海など、人の居住していない所に落ちると見られているが、落下場所の予測は直前まで困難であるという。毎日新聞によれば宇宙航空研究開発機構(JAXA)も落下の可能性は把握しており、情報収集に努めているとのこと。
過去に打ち上げられた宇宙船の残骸が発見され、時にはUFO騒動になったりもする。今回の天宮一号はどのような結末を迎えるのだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)