ルワンダのギタラマ刑務所は、世界最悪の刑務所のひとつとされており、非常に劣悪な環境に置かれた受刑者たちは生き延びるために他の受刑者の腐乱死体を食べることすら余儀なくされているという。
レイプ犯、強盗、殺人犯など、ルワンダで凶悪犯が収容されるのがこのギタラマ刑務所だ。ルワンダの首都キガリ郊外に建つこの刑務所は、1960年にイギリス人労働者の住居として建設された。
その後、当時約400人の囚人を収容できるよう設計され刑務所へ改築されたのだ。収容人数は本来ならば1,300人から多くても3000人なのだが、現在収監されているのはなんと8000人。これでも減った方だそうで、1990年代半ばのルワンダ大虐殺の後には5万人近い受刑者が劣悪な環境下で収容されていたと推定されており、1995年だけで1000人以上が刑務所内で死亡したと報告されている。
囚人の死亡者数が桁違いに多いのは死刑囚が多いからなどではなく、ひとえに刑務所の環境が劣悪すぎるためとされている。この刑務所にはそもそも下水道が整備されていないため、囚人たちは裸足で自分の排泄物の流れた床を歩いたり、時には溢れた汚水に浸かって眠ったりしなければならないとも。
また医療ケアもないため健康状態は日々悪化する。そのためギタラマ刑務所では1日に複数の死刑囚が衰弱して亡くなることもあるという。あまりに受刑者が多いことから最低限の食事すら全員に行き渡っていないそうで、ひどい時には亡くなった受刑者の死体を受刑者が食べたケースもあったという。現在でも、糞便と肉の腐った臭いが混じった悪臭が1マイル先まで漂ってくると言われている。
また、刑務所内にはギャングもおり、統制が取れていないため彼らは自分たちに反対する他の受刑者に対して残忍な犯罪を行う。特に凶悪犯罪を犯して終身刑に服している受刑者の中には(場合によっては複数の終身刑に服している者もいる)『失うものは何もない』と考えているものもおり、犯罪者仲間からの尊敬を得る目的も手伝ってより凶悪な行為を犯すと広く考えられている。
この刑務所に収容された時点で既に運命が決まったと言えなくもないが、収容されている受刑者の多くはまだ裁判を待っている状態なのだ。中には16年もの間、裁判を受けられずにいる人もいるという。
人権団体は数十年にわたり、刑務所内の悲惨な状況に抗議してきたが、状況は全く改善されてない。スイスを拠点とする「正義への架け橋国際連盟」は、刑務所内での被拘禁者の野蛮な扱いをなくすようキャンペーンを展開してきた団体のひとつだ。
「起訴に直面している多くの人々は、家族への連絡はもちろん医療支援、法律顧問へのアクセスがほとんどない状態でいつ終わるともしれない刑期を過ごしています。私たちは、ギタラマ刑務所の混雑を緩和し、被拘禁者のためにタイムリーで公正な裁判を保障することを求めています」と同団体は語っているが、現状は芳しくないようだ。
1990年代半ばにギタラマ刑務所を指揮したチャールズ・カヨンガ中佐は、劣悪な環境で苦しんでいる受刑者の中には無実の者もいる可能性が十分にある事実を認めている。
「無実の者がいる可能性はありますし、私たちのやり方が常に徹底していたとは言いません。しかし、収容者の大半は殺人者なのです」
いくら凶悪犯といえども最低限の環境は整えられるべきではないか、多くの人々が非難の声を上げているが、環境改善にはまだまだ課題が多いようだ。
The horrors within Rwanda's Gitarama Central prison's walls https://t.co/yMXQA5HXzO
A million people were ruthlessly murdered … pic.twitter.com/ZdpXMAmjok
— Thepressradio.com (@thepressradio) December 9, 2022
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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