埼玉県日高市には、奇妙な妖怪の伝説が伝わっている。
オクポという名のこの妖怪は、大木に棲息し、夕暮れ時になると奇妙な鳴き声を上げるという。
昔の人はこの妖怪の鳴き声で天気を予測していたようで、オクポが向山で鳴くと翌日は晴れで、また日高の古刹・高麗山聖天院の山で鳴くと人が死ぬ前ぶれだとされた。
どのような姿をしているのか、またどのような声で鳴くのかは一切伝わっておらず、地元の人に確認しても、今ではもう解らないとの事だった。
俗信では、鳥類の鳴き声は不吉な出来事の前触れとも言われる事が多く、このオクポも鳥のような姿をしているのだろうか。
現在の聖天院のご住職に伝説を確認したところ「日高は関東平野の端っこであり、鳥やモモンガが多くそれがオクポのモデルになったのではないか」とのことであった。
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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