取り付いた相手の肩を「肩こり」にさせる恐るべき妖怪が「かたのり小僧」である。
肩こりとは長時間のパソコンや勉強、ゲームなどを同じ姿勢でやり続けることで引き起こされる筋肉の疾患である。
子供のころは意識しなくとも大人になると次第に肩があがらなくなるといった症状がではじめる。
肩こりは疲れた現代人の病気と思われがちでるが似た症状は江戸時代より前にも報告されており主に「肩が張る」と表現されていた(余談ではあるがはじめて「肩こり」と表現したのは明治の文豪・夏目漱石とされている)。
肩こりを引き起こす古典妖怪は特に報告されてはいないが、肩こりになるとまるで小さい人間が肩に乗っているかのような錯覚に陥ることがあるという。
恐らくではあるが、かたのり小僧は肩こりに悩むゲームスタッフたちが想像力を働かせて創作した妖怪キャラクターと思われる。
また、かたのり小僧の親分的存在に「かたのり親分」がいる。もちろん能力はパワーアップしており取り付いた相手に「肩こり以上の痛み」を与えることができるという。
肩こりだけでも痛いのに「肩こり以上の痛み」を与えてしまうとはなんとも恐ろしい妖怪である。
かたのり親方の元ネタはかたのり小僧よりも男らしい筋肉質の大男として書かれていることから名前の似ている力士「高見盛関=振分親方」ではないかと一部で囁かれている。
確かにかたのり親方の特徴である丸顔に細い目は振分親方を連想させるし、高見盛が引退した理由は「肩の故障」である。
肩を故障した振分親方の無念が妖怪「かたのり親方」を誕生させたのではないだろうか……?
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)