妖怪

江戸時代の絵巻にも登場 とっても可愛い妖怪「はじっかき」

妖怪といえば、角や牙を生やした恐ろしげな姿や奇怪な姿をしていたり、いかにも凶暴そうに思える見た目のものが多い。それが昔の人の手による絵であれば尚更、独特の迫力をもっているように感じられるものも多い。

だが、そんな昔からいる妖怪の中にも可愛らしい外見のものは少なからず存在している。

たとえば松井文庫所蔵「百鬼夜行絵巻」等に登場する「はじっかき」などはかなり可愛らしい妖怪であると言えるのではないだろうか。

大福かマシュマロのような白くぽてっとした体、短い手で頭を抱えながらこちらを伺う仕草が特徴的の妖怪。顔も姿形も何だか憎めない、ゆるキャラのような見た目をしている。

中国の伝説に「謝豹虫」という妖怪がおり、この伝説を元に作られた妖怪ではないかと考えられている。これに加え、恥ずかしがり屋な人を揶揄して創作されたものではないかという説もある。




辱めを受け、恥を抱えて死んだ者の念が凝り固まってこの妖怪になったと考えられている。普段は土中に潜んでおり、うっかり掘り当ててしまったりすると、非常に恥ずかしい目にあわされるか、恥ずかしがり屋になってしまうとされているが、詳しい伝説は分かっておらず詳細は不明となっている。

もしかしたら、当時の絵師もゆるキャラや可愛いキャラクターになるように、あまり深い意味を込めずに作成したのかもしれない。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)