インド神話の叙情詩「マハーバーラタ」に登場する、非常に巨大なアスラが「マダ」である。名前は「酩酊者」を意味する。
全身が巨大であった上に、とてつもなく大きな歯とあごを有していたとされ、口を開ければ上あごが天に達するほどだったと言われている。
ある時、アシュヴィンという双子の神が年老いた創造神チアヴァナの若き伴侶、スカニヤーに横恋慕した。そこで彼らはスカニヤーに好かれようとチアヴァナを若返らせたところ、スカニヤーは若返ったチアヴァナを選んでしまう。
一方のチアヴァナは非常に喜んで、アシュヴィン双神に褒美として不死の霊酒ソーマを与えようとしたが、雷神インドラの怒りを買ってしまう。
そこでチアヴァナは大きなアスラのマダを作りあげ、インドラに見せた。マダの姿を恐れたインドラは、特別に双神にソーマを飲む許可を与えたという。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)