バニラエアーに車椅子をかつぎあげて乗り込む方法を拒絶され、奄美空港で腕の力だけで、搭乗タラップを這い上がったことで物議を呼んだ木嶋英登氏。
出演したAbemaTV にて、『プロ障がい者』というネット上での批判に対して認める発言をし、さらなる議論を呼ぶ形になっている。
確かに彼自身『空飛ぶクレーマー車椅子』と自称している上に、車椅子での旅行をテーマに、講演会や執筆などを仕事として展開しており、プロ障がい者と揶揄されても仕方ないかもしれない。
だが、本当に単なるクレーマーだろうか・・・。
木島氏は予め車椅子での搭乗であるという事前連絡はしておらず、その部分に対するバッシングが多いように見える。
だが、よくよく考えてみれば、本来我々が目指すべきバリアフリーの社会とは、予め事前連絡をしなくとも普通に障がい者が飛行機に乗れる社会ではないだろうか。
確かに経営規模の小さい会社では職員の確保などの面から事前連絡が欲しいだろう。だがこれからは、障がい者対応を含めた経営インフラが必要だと経営者は意識を変えていくべきであろう。
今回の出来事でバニラエアーは奄美空港に昇降機を整備したようだが、このような事件が起こらなければバリアフリー社会は充実しないのかもしれない。
そういう側面から判断すると木島氏は障がい者の交通手段の充実化を推進するパイオニアと言っても良いだろう。
健常者という多数派から見た意見だけで物事を判断するのはフェアではない。障碍者という立場から見ると違う解釈も出てくるのだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)