先日、アトラスでは約50年前に起きた横須賀線電車爆発事件について紹介した。
この事件は当時頻発していた爆発事件をヒントに思い付いたと犯人が証言していた。
この事件に影響を与えたのではないかとされる爆破事件の一つが今から50年前の1967年の6月18日に起きた「ウルトラ山田」による山陽電鉄爆破事件だ。
同日午後2時ごろ、神戸市垂水区の山陽電鉄塩屋駅にて、姫路行き普通電車の網棚に置かれていた荷物が爆発。29人が重症を負い、2人が死亡する大惨事となった。
爆発物は塩素系カリウムと硫黄を用いた時限爆弾だった。現場には「ウルトラ山田」なる人物の署名が添えられた脅迫状が残されていた。
この事件で使用されていた爆弾が同年1月に神戸市中央区の大丸神戸店で使用された爆弾に酷似していたものの、犯人検挙には至らなかった。
特徴的な名前だったためか、世間に与えた衝撃は大きく74年には「ウルトラ山田」を名乗る人物による爆弾事件が大阪で発生。犯人はなんと13歳の少年であった。
他にも60~70年代は鉄道爆破事件が多発しており、未解決のままとなった事件も多いものだった。
謎の爆弾魔「ウルトラ山田」も、歴史の闇の中に消えていってしまったのである。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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