北米大陸の山や森林地帯に住んでいるとされる獣人型UMAのビッグフットは、基本的に人間の存在に気が付くと身を隠してしまうのが一般的だが、時に意外な程の凶暴性を見せる事がある。
オレゴン州のある男性は、ビッグフットによって祖母の家が壊されたと証言している。
1964年のこと、男性は祖母の庭で働いていた時に、何者かによる口笛のような音を聞いたのが始まりだったという。山仕事をしたり、ハイキングで山に入った人が挨拶のために口笛を吹いたりホイッスルを鳴らしたりすることがあると知っていたため、祖母は口笛に対して大きな声で挨拶を返したのだという。人影は見えなかったが、何者かが去っていく音や茂みの揺れる様子は確認できたため二人はその後も作業を続けた。
だが、作業を終えた後に祖母は、山の中に奇妙な足跡が残されていた事に気が付いた。普通の人間の足より倍はある大きさで、少なくとも17-18インチはあったという。誰かが様子を見張っていたのか?と思った男性と祖母は警察に相談し、祖母は警察の薦めで猟銃を護身用に持つことにした。
数日後の夜、祖母は自分家であるトレーラーハウスの周囲をうろつく人影に気がついた。何か言葉を交わしているようだったが、全く聞き取れない言語だったという。何者かが家を狙っているのかと思った祖母は外に出て、怒りながら空に向けて一発威嚇射撃をした。その日はすぐに人影は立ち去ったのだが、数ヵ月後の夜に再び戻ってきた。
10月中旬、祖母のトレーラーハウスが激しく揺れて窓が壊れ、棚やテーブルから物が落ちた。何が起きたのかと祖母が窓から外を見ると、こちらを覗き込む顔と対面した。それは猿に似た醜く、毛むくじゃらて赤みがかった顔。人間ではなくビッグフットのものだったのだ。彼女は慌てて護身用の銃を取り出し、怪物に向けて撃った。当たりはしなかったようだが、さすがに恐れたのかビッグフットは去っていったという。
朝になり、祖母は男性を呼んで警察に報告したが、ビッグフットが襲ってきたというのは信じてもらえなかったそうだ。しかし、男性とその祖母は以下のように語る。
「警察は気が動転して怪物に見えてしまったのだろう、と言っていました。でも、私は祖母が見たものは幻ではないと思います。人間にトレーラーハウスの窓を壊せる力は無いでしょうから」
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)