我々、日本人にとって最も親しみのある昔話といえば「桃太郎」「金太郎」、そして「浦島太郎」である。これらの昔話は、「三太郎」と呼ばれ、今でも人気ストーリーとなっている。
浜辺で子供たちに、苛められていた亀を助けた浦島太郎が、そのお礼にと竜宮城に招かれ、乙姫さまや魚たちの歓待を受け、数日間楽しく過ごすものの、急に寂しくなって故郷に帰ってみると、実際には何百年も経っていたというストーリーである。
「昔、昔、浦島は助けた亀につれられて竜宮城に行ってみれば絵にもかけない美しさ♪」この童謡を口づさんだ方も多いはずである。最後、老人になってしまう結末が、なんとも不可解で、誰しも心に残っているお話ではないだろうか。
この昔話にも秘められたミステリーがあると言われている。
一部のUFO研究家は、アインシュタインの相対性理論を使いこう説明している。エイリアン(?)によって、拉致された人間が、宇宙空間を宇宙船に搭乗し、光速状態で過した結果、地球上と宇宙での時間の流れに誤差が生じて、宇宙空間においては、ほんの数年間が地球上では何百年も経っていた。そして、地球に帰還した人間が、この奇妙な経験を昔話「浦島太郎」として伝えたのであるという。
この説が、本当かどうかは別にして、この手の時間の流れによる差異を「ウラシマ効果」と呼んでいるのは事実である。
アメリカ版「浦島太郎」と呼ぶべき話もある。
ワシントン・アービングに伝わる「リップバンウィンクル」の話である。内容は、口うるさい妻に嫌気がさしたリップバンウィンクルが森に散歩に出る。そこで、不思議な妖精らしき人物に会い、りんご酒やレモンジュースをご馳走になる。つい居眠りをしてしまいふと目をさますと、森の様子が違う。町に帰ると妻はとっくに死んでおり、一眠りした間に数十年経っていた、という話である。
これなども、研究家によっては、グレイの拉致ケースと解釈されるだろう。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像は『うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ) 』表紙より