古代の天皇はUFOで世界中を移動していた!?伝説の「天浮船」とは

現代でも妄信的なビリーバーによって信奉されている日本の超古代遺跡や不思議な伝承は多い。

日本ピラミッドの代表的な存在である葦嶽山ピラミッド(広島県庄原市)や、イエス=キリストの墓(青森県新郷村、旧戸来村)や、ゴルゴタでの処刑の危機を脱したキリストの日本渡来説、モーゼが能登宝達山にのぼり、天皇の娘と結婚し538歳で没した後、三ツ子塚古墳に葬られた伝説など、歯止めの効かない数多くの妄想を生み出したのが、竹内巨麿が世に公開した『竹内文書』である。




この文書のおかげで、各地に(とんでもスポットではあるが)観光史跡が生まれ、年間大勢の人が訪問しており、経済効果を考えると竹内巨麿は大変有意義なことをしたと思うのだが、中にはこれをまったくの歴史的真実として、盲信する者もいる。

この竹内文書は兎に角、内容が凄い。天神七代による宇宙創世紀に続き、上古第一代天皇が天日国(プレアデス星団と推測されている)から、天元根国(太陽系第三惑星である地球と推測されている)に、天の浮船に乗って降臨し、地球に文明を築いた。つまり、我々、日本人の祖先はこの神=エイリアンの後裔であると言われているのだ。

昭和初期に、山根キクや酒井勝軍らオカルトティストたちに絶賛された『竹内文書』は、学者や軍人も巻き込み大きな話題となり、『古事記』以前の歴史書と言い出す人々も出てきた。結局、元京都帝大・狩野亭吉博士による「天津教古文書の批判」という論文が、岩波書店発行の雑誌「思想」に掲載され、偽書という形で一般社会では決着がついた。




だが、一部の信奉者は、『竹内文書』に出てくる一日に地球一周できる天浮船こそがUFOであり、天皇がこの船に乗って世界各地を訪問、世界中が日本を中心に統治されていたと主張している。

もし天浮船が実在したと仮定するならば、UFOではなく太平洋を縦断した縄文人の船であり、素晴らしく速く進む船の様子を鳥に見立てたものではないかと考えられている。

(監修:山口敏太郎/飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

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