2012年に世界を駆け巡ったニュースで驚いたのが、ナチス親衛隊のヒムラーが派遣した探検隊が持ち帰った仏像は、隕石を加工したものだったという報道である。
第2次世界大戦前、1938年、ナチス親衛隊(SS)長官ハインリヒ・ヒムラーは、ヒトラーの指示を受け、アーリア人の起源と目されたチベットに探検隊を送った。
探検隊は、胸に卍が刻まれた約1000年前の仏像(毘沙門天の座像、高さ24センチ、重さ10.6キロ)を発見、アーリア人チベット起源説を裏付けるものとして持ち帰った。
その仏像は「鉄の男」と呼ばれ、ドイツに保管されていたが、実は隕石(約1万5000年前にシベリア・モンゴルの境界線付近に落ちたチンガー隕石の一部)を加工研磨してつくられたということが判明した。
まるで映画の「インディジョーンズ」のワンシーンのような話だが、とかく人類は隕石という宇宙からの贈り物に弱いようだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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