陰謀論や都市伝説に登場し、世界を裏で操っているとされる秘密結社フリーメーソン。
その構成員の中にはアメリカ大統領を初めとする各国の首脳も含まれており、秘密裏に会議が行われ世界各国の動向が決定されてきたと考えられている。そのため、世界を揺るがす大事件などが起きると、すぐにフリーメーソンの陰謀だったのではないかと噂になるのもよくあることだ。
だが、そんなフリーメーソンは更にある集団によって操られているとする説がある。
フリーメーソンすら操る集団が「ブナイ・ブリス」だ。
ブナイ・ブリスは1843年に設立され、現在も活動を行っているユダヤ人の相互扶助組織である。
会員は多く、様々な組織の構成員がブナイ・ブリスに所属しているという。独特の階位や秘儀、決められた言語などを用いて秘密裏に活動を行っていたとされる。そんな側面から、「ユダヤ人のフリーメーソン」「秘密結社の中に存在する秘密結社」とも呼ばれており、フリーメーソンを実質的に動かし、支配している組織と考えられている。
だが、実際のところは秘密結社などではなく、前述のとおりユダヤ人達が互いに助けあうために構成されたコミュニティの一つであり、奨学金制度や福祉活動を行なう組織である。
結成当初はフリーメーソンのように組織をロッジと呼んだり、任命時の儀式や秘密の暗号を用いていたために秘密結社であると混同されたこと。また、フリーメーソン自体にもユダヤ人が関連しているという噂や都市伝説が存在しているため、より誤解されてしまったのだろう。
なお、現在のブナイ・ブリスは1920年の組織憲章からこれらの秘儀性と決別しており、様々な親睦団体や福祉活動団体との交流も積極的に行っており非常にオープンな組織になっているという。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)