スプリガンはイギリスやアイルランドの遺跡を守護しているとされる妖精である。
容貌は醜く普段は小さい姿をしているが、宝物を求めて人間が遺跡を訪れると、巨人と見まがうほどの大きな姿になって襲いかかってくる。
もし、彼に目を付けられたら川や湖など、清水のある場所へ行って飛び込むとよい、といわれている。
スプリガンは水が苦手なため、追って来られなくなるのだ。
ちなみにスプリガンも他の妖精と同じく、人の赤ん坊を妖精の子と取り替える『取り替え子(チェンジリング)』や人間に関節痛を患わせる等の悪戯を行うという。
一風変わった妖精のスプリガンだが、一説にはスプリガンはかつてアイルランド地方に住んでいた異形の巨人族「フォーモリア」の幽霊だと言われている。イギリスやアイルランドでは遺跡は昔の巨人族が建てたものだと信じられており、荒らそうとする人間には祟りがあるとされていた。
この巨人族に対する恐怖が妖精のスプリガンを産んだのではないか、とする説がある。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)