学校の怪談

【実話怪談】校長先生の吐いた蜜

(大阪府・Nさんが同級生から聞いた体験談) 

「学校の怪談」と言えば、小学校の時に一つありました。




 私の通った小学校は、歴史のある古い学校でして、私が入学する前年に百周年を迎えたほどでした。当時は体育館が無くて、朽ちかけた講堂が体育館も兼ねていましたが、その講堂の天井が不気味でして、大小たくさんの濃い黄色をした“染み”がありました。

 「あの染みって、なんだろう」

 私たち生徒も不気味に思ったのですが、それにはこんな噂が囁かれていたのです。

 その講堂には、グランドピアノが二台、対角線上の隅に置かれていたのですが、そのピアノを校長先生が弾くと、ピアノの中に吸い込まれてしまうらしいのです。過去にピアノに吸い込まれた校長がいるらしく、天井の染みは、真夜中にピアノに吸い込まれた校長先生が、苦しくて蜜を吐いた痕なんだそうです。

 ここからは私の体験なのですが、この怪談どおりだとすると、ピアノに吸い込まれ亡くなった校長先生が、ピアノの中から天井に向かって吐いたんですね?講堂の天井って結構高いですよ。ものすごい勢いで吐かないと…。いったい、どうやって吐いたのでしょうか。

 この亡くなった校長先生の身元がわかる資料があるんです。百周年の時に、小学校の百年の歴史を記した立派な本が配られたんですが、ちょうどうちの兄が在籍中だったので、我が家にもありました。
 この本の中に、歴代校長の写真と在任期間が掲載されていました。調べてみると、1人だけ在任中に死亡している校長がいました。ちょうどハゲヅラを被りメガネをかけたカトちゃん似の校長先生でした。




 私は、「きっとピアノに吸い込まれたんや・・・」と思っていました。

 あとご多分に漏れず、講堂のある敷地は元墓地であったと言われていまして、講堂の床に出来た隙間から地面を覗くと、露出した骨が見えると、数人が騒いでいました。

(監修:山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

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