昨今、リラックス効果や健康に良いとして注目を集めているマイナスイオン。
それとは正反対の効果を持つプラスイオンが存在することを、ご存知であろうか。プラスイオンとは、車の排気ガスや電化製品が発する電磁波によって大気が汚され、そこから発生するものである。
プラスイオンが人体に齎す効用として、血液を酸化させたり、病気を誘発させるといったものである。そして、この酸化が原因となって起こる病気は、貧血や不眠症に頭痛、他にも高血圧に脳卒中などがある。
当然のことながら、都会であればあるほどこのプラスイオンが多い。だが、それとは関係なく急激にプラスイオンが増加することがある。それが、地震前だという観測データがある。
この予知方法の説明の前に、プラスにもマイナスにもなり、それぞれが人体に与える効用が全く異なる、このイオンとは一体なんなのか。
イオンとは電子でも原子のことでもなく、原子が電子になることを意味する。その変化中にプラスの電気を帯びたものがプラスイオン、マイナスの電気を帯びたものがマイナスイオンとなる。
余談であるが、マイナスイオンの癒し効果については未だ科学的根拠は無い。また、大気中にマイナスイオンとプラスイオン、両方が平等に在る状態がベストでだとされている。故に、プラスイオンが悪くマイナスイオンが良いと一概には言えないというのが今の現状である。
さて、本題に移ろう。
そのイオンでどうやって地震を予知するのか。冒頭に述べたのだが、地震前に、プラスイオンが急激に増加する。それを事前に観測するのである。排気ガスや電磁波によってプラスイオンが発生すると先ほども記述した。
地震の前には大量の電磁波が生じるという話をよく耳にする。その証拠と言わんばかりに、地震前に電子機器が壊れやすくなるという事例もある。そして、その電磁波によってプラスイオンが大量に発生する。なんとも分かりやすい図式である。そして、充分信用するに足りるものである。
現に、沢山の業績を上げている。まず、2000年に起こった鳥取県西部の地震では3ヶ月前に通常よりも約10倍以上、2001年の芸予地震では一週間前に約3倍に。また、阪神・淡路大震災の際にも数日前から同じ様な観測結果が出されている。
ここ数年のものでいうなれば、2007年に新潟周辺で起こった能登半島地震、新潟県中越沖地震。三重県中部の地震。2006年では大分県、千葉県、和歌山県、伊豆半島の地震を予測している。さらに、2005年は千葉県、福岡県の地震。2004年には新潟県中越地震に紀伊半島での地震。さて、ここまでの結果を見て気が付く事はないだろうか。
そう、北海道や沖縄の地震の予測が無いのだ。その理由とは至極簡単である。観測所が無いのだ。2006年の時点で観測所があるのは、岡山に3軒、兵庫県に2軒、そして、長野県、神奈川県、大阪県、千葉県、静岡県、徳島県、京都県に一軒づつである。故に、北海道や沖縄などの地震は観測しづらいのであろう。
この研究さえあれば、何の問題も無いではないか!そのように思われる方も居るかもしれない。確かにそうだと思う。ただ、多くの観測成功例を挙げているこの研究であるが、詳しいメカニズムが科学的に解明されたわけではない。
何故、地震前に電磁波が発生するのか。どのようにしてプラスイオンが大量発生するのか。しかし、考え方を変えてみれば、そのメカニズムさえ解明されれば、確実に地震は予知できる、ということになる。なんと心強いことだろうか。
地震とは、広大な大地を揺るがす事象である。それによって自然界自体が異常をきたし、同じだけあればよいプラスとマイナスのイオンのバランスまでも狂わせる。
なんとも理に適っているではないか。
この観測が正しく、どこでも行われるようになれば、地震を予知する事も容易くなるであろう。これからの研究に期待しよう。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)