筆者・山口敏太郎が、仲良くしているメジャーなバンドがいる。
新曲やアルバムを出す度にオリコンチャートを賑わす超人気バンドなのだが、筆者は彼らのラジオ番組に度々ゲストとして遊びに行った。いつも馬鹿話をしては、楽しく帰ってくるのだが、その日は様子が違った。
UFO話になった時、そのバンドのボーカルとドラムを勤めるメンバー二人が突然こんな事を言い出したのだ。
「僕らの知り合いに、UFOに拉致られたって証言している人がいるんですよ」
この言葉に筆者は敏感に反応した。
「ええっ?まじなの?ネタとかじゃなくて」
相手はシリアスな顔で反論した。
「いやいや、冗談じゃないですよ。リアルな話ですよ。だって証拠があるんだもん」
―――証拠だって?
証拠という単語に筆者は興奮を抑え切れなかった。
「証拠があるの?いったいなんなの、証拠って」
そこにドラム担当メンバーが割って入った。
「腕に金属が埋め込まれているんだよね」
「まじで、それってインプラントじゃん」
筆者は今にも立ち上がりそうになった。
「まじも大まじ、指で触ったら、確かに皮膚の下に薄い金属の板が入っているんだよ」
有名すぎる彼らが売名で嘘を言う必要はない。また、彼らのいうインプラントされた友人も売名が目的ではない。
いや、もし万が一フェイク情報だったとしても、自らの体内に金属を埋め込むような人間はいるまい。何者かが、彼の体内にインプラントしたのだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部))
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