子供の頃、読んだ火星人に関する児童書に出現する火星人の多くが蛸型であった気がする。
火星人のイメージが蛸型として定着したのは、アメリカの天文学者で火星人の存在可能性について研究を行ったパーシヴァル・ローウェル氏の影響を受けたイギリスのSF作家H・G・ウェルズの「宇宙戦争」がベストセラーになった事が大きい。しかし、実際に南極やシベリアで「蛸型宇宙人のようなものを見た!」「蛸型UFOを見た!」という目撃情報もある。
吸盤のついた8本の触手、よく動く瞳孔の巨大な目、くねくねして変色する体…蛸はその外見も不気味で、軟体動物の割に高度な知能を持つ実に不思議な生物だ。
そして、昨今になって、「蛸=宇宙人」という話はSF小説や児童書の中のフェイクではなく、科学的に解釈する研究が行われたのだ!
シカゴ大学の神経生物学者、クリフトン・ラグスデール博士らの研究グループ研究グループは「蛸のゲノムは地球上の他の生物のゲノムとも根本的に異なる」という論文を2015年8月12日のネイチャー誌に発表した。
Octopus genome holds clues to uncanny intelligence : Nature News & Comment
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彼らはジョークで「蛸は宇宙人のようだ」と発言したのを、多くのメディアは「彼らは冗談を言った」と報道しているが、蛸の不思議な生態系は冗談の域を越えているのだ。
研究はシカゴ大学、カリフォルニア大学バークレー校、独ハイデルベルグ大学、沖縄科学技術大学院大学の遺伝子学者達によって行われた。
また研究に用いられたのはカリフォルニア・ツースポットタコで、12種類の組織の遺伝子発現が解読された。そして、蛸のゲノムには地球上の他の生物にはないゲノムが多く見つかり、更に蛸はタンパク質の合成にかかわる遺伝子「コドン」を33,000ほど持つ。人間でも25,000なので、それを上回る異常な数である。
蛸は本当に宇宙人、もしくは宇宙人が地球で進化した生物なのか?だとしたら、蛸はどこの惑星から送り込まれたのだろうかー。
研究の進展に期待したい。
(深月ユリア ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
※画像©PIXABAY