かつてオカルト界を騒がせた「東京スポーツ河童事件」

 かつてオカルト界を騒がせた「東京スポーツ河童事件」というものがある。

 柳田國男の著作「遠野物語」などで有名になった岩手県遠野市の小烏瀬川付近にて、河童の目撃が多発。その姿が写真に撮影され、東京スポーツの一面を飾ったと言うものだった。緑色の肌で、頭にも皿が確認できる姿は典型的な河童の姿だと注目を集めた。




 しかし、この写真が掲載されて後、多くの人から問い合わせや指摘が相次いだ。
 妖怪研究家の山口敏太郎など、専門家や妖怪に詳しい人々から遠野の河童は緑ではなく赤色だという指摘があり、他にも現地で調査をすると河童がタバコをすっていた、携帯電話で話をしていたという目撃証言が出てきたのである。

 実はこの河童はテレビ番組「電波少年」の企画であり、モンモンという芸人が河童伝説で有名な遠野で河童の扮装をして過ごしてみたら、人々がどういう反応を見せるだろうかという企画のもとに行われたものだったのだ。
 撮影期間は3ヶ月、地元ではケーブルテレビが取り上げるなどして次第に話題になっていったが、肝心の全国区の新聞や地上波テレビが取り上げてくれない。そこで番組ADが匿名の目撃証言とともに東スポに送ったのだという。

 東スポ側も写真が送られた時点では撮影の内情を知っておらず、調査と番組プロデューサーからの説明を受けて初めて知ったのだという。後に東スポも内情を公開する記事を紙面で掲載している。




 さて、肝心の番組は仕込みの段階で大騒ぎになってしまい、結局この放送はお蔵入りとなってしまった。

 モンモンもその後はお笑い芸人を引退している。この引退に関しても「カッパの祟り」ではないかとささやかれたという。

(監修 山口敏太郎 /田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

※画像©写真素材足成

東スポ




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