もうすぐバレンタインデーだ。楽しみにしている読者もそうでない読者もいらっしゃるだろう。
街中が御菓子メーカーの商戦となっているが、バレンタインデーの起源は実は非常に残酷なローマの祭だとご存知だろうか?
古代ローマには2/13~15日にかけて「ルペカリア」という古代ローマの神々を崇拝する祭りである。2月14日に結婚の女神ユノの祭、2月15日に牧神ルペルクスを祭るルペカリア祭が行われた。
ルペカリア祭は、古代ローマの宗教はじめ多くの宗教にあるように、神に動物の生け贄を捧げる風習があった。
しかし、ルペカリアでは男性が雄ヤギや犬を生け贄に捧げるだけでなく、「ルペルキ」と呼ばれた男性集団が生け贄になった動物の皮で鞭をつくり女性を打つ事で神に豊作を願ったのだ!現在の感覚からすると、「SM的な要素があったのか?」と疑問が沸くが、ルペカリア祭で鞭打たれることで「安産と子宝に恵まれる女」という迷信があったので、女性達は鞭打たれる為に自ら並んだという。
動物と女性の犠牲によって、豊作の神が願いを聞き入れると考えたのだろうが、現在の感覚からすれば、弱いものを犠牲にする男性優位の残酷な風習に思える。
そして、ルペカリア祭には縁結びの風習もあった。
ルペカリア祭の最中に、男性が女性の名前が書かれたマッチが入った壷から、女性のくじをひいて祭の最中に関係を持つ女性を決めたのだ。2月14日と恋愛記念日を結びつける考え方の起源はこのくじの風習だろう。
ローマ帝国がキリスト教に改宗してからは、2月14日に処刑されたと言われる聖バレンタインが殉教した日とルペカリア祭とを掛け合わせ、「バレンタインデー」となったのである。
(執筆 深月ユリア ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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