アトラスでも紹介してきたが、近年ネット上に「近未来からやってきた」というタイムトラベラーの証言が上げられて話題になる事が多い。では、逆に現代人が昔の世界にタイムトリップしてしまったケースは存在しないのだろうか。
今回紹介するのは、タイムトラベルの逸話の中でも有名なものである。
事件は1901年のある夏の日、イギリスの名門大学で働くエレノアとシャーロットという名の2人の夫人が、ヴェルサイユ宮殿を訪れたことから始まる。
2人は広大な敷地を擁するヴェルサイユ宮殿を見て回り、その中にある、彼女たちがかねてから見たいと思っていた大トリアノン宮殿に向かった。だが、あいにくその日は大トリアノン宮殿は閉まっており、中を見る事は出来なかった。
2人は小トリアノン宮殿へ行こうと、小道に入った。
その道すがら、シャーロットは窓から白い布を振っている女性の姿を見かけ、エレノアも納屋のような建物の側に、古い時代の農作業用具があるのを見かけた。この小道に入ってから、2人は奇妙な感覚にとらわれていた。
何か胸騒ぎのようなものがして、楽しいはずの宮殿見学が急に重苦しく感じられ、吐き気さえ催したという。それでも彼女たちは、小トリアノン宮殿に向かって足を進めた。
すると、三角形の帽子を被り、灰色がかった緑色のコートを着た男がいるのが見えた。それはヴェルサイユ宮殿が建てられた当時の格好そのものだった。
そして彼女たちは更に衝撃的な人物との対面を果たすのだが、それは次回以降に譲ろう。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY