我々人類は、文化や民族、宗教によって違いがあるものの、死に瀕したとき、『あの世』と最も接近することがある。それが『臨死体験』である。
我々日本人の基本的な『臨死体験』と言えば、死にそうなっていると、自分の体から自分(魂)が出ていることに気が付く、周囲の誰に訴えかけても自分の存在に気づかれず茫然としていると、いつの間にかお花畑に来ている。ふらふらと歩いていると川の向こうから、手招きする者がいる。よく見ると以前亡くなった肉親であり、思わず川の向こうに行こうとしたら、背後から名前を呼ばれ、振り向くと自分はベッドの上であり、ようやく死の危機から蘇生したことに気がつく。以上のようなパターンが多い。
有名人も数々の臨死体験を語っている。テレビ番組の「ごきげんよう」にて加藤茶が興味深い発言をしていた。病気で死にかったとき、気がつくと河原で石を積んでいる場所に来てしまった。ふとみると、亡くなったいかりや長介がいる。これはまずいと逃げ出したら、息を吹き返したという。
加藤の気の利いたブラックジョークなのかもしれないが、あの長さんが、加藤茶の命を救ったのではないだろうか。
また、俳優の川津祐介が何度か臨死体験をしている。一回目は、19歳の自殺未遂の時であった。敗戦後の日本の絶望した結果の自殺だったが、真っ暗な世界に引き込まれそうになり地獄のような怖さを感じたという。
二回目は、34歳の時であった、アクションシーンの撮影中に頭蓋骨を負傷したところ、幽体離脱状態になった。何故か周りの人間の心の中の声が聞こえたらしく、大部分の関係者が心配していたが、二人だけ「ざまあみろ」と思っていたのがわかった。
三回目は、1995年、60歳の時である。左心室が壊死した状態で医師からは、余命は3週間、長くて3ヶ月の命と診断されていたが、奇跡的に大手術が成功、この時も臨死体験をしたという。
実は2011年の手術の時も臨死体験をしている。手術中、繭のようなボートに乗っている自分に気がついた。虹色に光っており、神様の治療を受けているような気がしたらしい。このように何度も『臨死体験』をする人物もいるようだ。
また、『臨死体験』後、未来の記憶があるというケースもあるようだ。NPO地球村の高木善之氏は、1981年のオートバイによる昔、交通事故で重傷を負う。意識が戻ったとき、未来に起こる出来事の記憶があったという。彼の著書「究極のしあわせ」などに詳しいが、10年後(1991年)にソ連が崩壊、20年後(2001年)にアメリカが崩壊、40年後に世界が崩壊というものであった。ソ連の崩壊は的中し、アメリカもNYテロが的中しているが、崩壊までには至らなかった。
高木氏が見た時間軸の未来と現在の時間軸の未来は違うようだ。うまくいくと、世界の崩壊という未来は回避することが出来そうである。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)