12月24日(土)放送、『オカルト特番ビートたけしの超常現象(秘)Xファイル』、映像検証第三弾。
この手のオカルト番組で恒例なのが、「衝撃映像」と銘打ち「実際に撮影された」とされる短いUFOやUMAの動画が流されることがある。これらの動画は基本、撮影したと称する人物がYouTubeやSNSの機能で動画配信を行い、注目を集めたものが多いのだが、これらには当然ながらCGを多用したフェイクも多く含まれている。そして、中には既にフェイクであることが判明しているにも関わらず、未だにこういった特番で「実際の動画」として紹介されるものが少なからず存在しているのだ。
UMA動画では、CGはおろか明らかに人形などを使用したと思われる稚拙な合成動画も多かったが、UFO動画はもう少し高度で、人を驚かせる進んだCG動画が多かった。
そもそもUFO目撃の歴史は、その初期からフェイクとの戦いの歴史でもある。当初から模型や写真を加工したフェイク動画は多く、また早々にCGを用いた動画も作成されてきた。CG技術が発展すると同時にUFOの動画も派手になり、リアリティを感じさせる映像が作られるようになっていったのだ。
今回紹介された動画の中で、ジェットコースターに乗っていた人が撮影した一瞬のUFO動画があった。
ジェットコースターが上がってきて、視界が開けた一瞬、手前から銀色の円盤が出現。背後に飛び去っていくが、その後ろを戦闘機が追いかけていくのである。番組ではこの動画の解説として、この遊園地の近くに米軍基地があり、戦闘機が緊急発進したのか?とされていた。
だが、この動画も見ていくと不審な点が多い。UFOは急加速や普通の飛行機にはあり得ない軌道で飛行するため、急に現れたとしても不思議ではないかもしれない。だが、実在する戦闘機の場合はそうもいかない。この動画で見る限り、UFOのすぐ後ろに肉迫しているのだが、この軌道で飛行していたならば、UFOが映る前から遠くの空に戦闘機の機影が見えていなければならないのだが、画像をよく見ていくとUFOが出現したすぐ後で、急に虚空から戦闘機が現れたようになってしまっているのだ。
このように、実際の動画とされるオカルト動画の中には、明らかにCG等で作成されたと思われるフェイク動画も存在している。本アトラスでもオカルト系の「実際の動画」とされるものを何度も紹介しているが、派手な展開のものは一握りしかなく、大抵は地味なものが大半なのだ。
フェイクも多いと割り切って、どれが本物か、どれがフェイクなのか、検証しながら見てみるのも面白いのではないだろうか。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
関連動画
UFO SPOTTED ON A ROLLER COASTER | SEPTEMBER 2016
※画像はYOUTUBEからのキャプチャ