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【妖怪ウォッチ研究序説】時代が変われば姿も変わる?昔から存在する都市伝説の妖怪「じんめん犬」

夜遅く、ゴミ捨て場で一匹のノラ犬がゴミをあさっている。思わず「気持ち悪いなぁ」「あっちへ行けよ」とつぶやくと、その犬がくるっと振り返って「ばかやろう」「ほっといてくれ」としゃべる……犬の顔は、中年男性のものだった、というものが昭和に噂になった妖怪「人面犬」だ。

1990年代になって学校の怪談ブームでも登場し、某大学のバイオテクノロジーで生み出された人面犬が逃げ出して町をうろつくようになったのだとか、人工的に生み出された妖怪のため非常に身体能力が高く、時速100キロで走ることが出来るため高速道路で車を追い抜けたり、ジャンプで高い壁を乗り越えたりできるといった噂がまことしやかに囁かれていた。




妖怪ウォッチのじんめん犬もその一体……のはずなのだが、ただの雑種だった元来の人面犬と違いトイプードルという人気の小型犬になり、より見た目のインパクトが増したようだ。なお、以前の人面犬がわりと乱暴な言葉づかいだったのに比べ、妖怪ウォッチのじんめん犬は気弱なサラリーマン。まだ頑固な雷親父が町内にいた昭和から平成へと時代も下っていくうちに、子どもにとっての「おじさん」のイメージも変わって情けないものになってしまったのかもしれない。

さて、実は人面犬は江戸時代にも出没したという記録が残っている。江戸時代の『街談文々集要』にはある家の飼い犬が産んだ子犬が全て人面だったという話や、他にも見世物小屋にいたという話が残っている。

もしかすると人面犬は、長きに渡って語られ続けてきた都市伝説の妖怪と言えるのかも知れない。

(黒松三太夫  ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)


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