特撮映画のパイオニアといえば『キング・コング』である。
1933年の初映画化を皮切りに70年以上に渡り続編やリメイク作が作られ、アメリカ制作版の『ゴジラ』でも第3作目でゴジラとの再戦が予定されている。
実はキングコングの映画は日本でも数多く作られており1962年の『キングコング対ゴジラ』以前にも何作か日本版キングコングは作られている。
特に異色作とされているのが『江戸に現れたキングコング』という映画であるという。なんじゃそりゃ!?
公開年は1938年でアメリカでキングコングが公開されてからたった5年というハイスピードで制作・公開されている。
フィルムは残っていないため内容はほとんどわかっていないが、公開当時のポスターには屋根に登って見栄を切るキングコング(らしき野猿)の勇姿が掲載されているほか、原作通り(?)綺麗な着物を来た女性を手に乗せるシーン、侍と戦っているシーンがあり「江戸に現れた」というタイトル通りの内容だったと思われる。
また、ポスターのビジュアルがそのまま映画通りのクオリティならばキングコングの着ぐるみは当時にしてもかなり完成度が高く、そのまま『仮面ライダー』の怪人として出てきてもおかしくないカッコよさがある。
前述の通りフィルムは残っていないかつ、制作年から考えてアメリカの映画会社には許可を得ていない作品と思われるため、見ることは叶わない一作だが、巨大生物映画が好きなら死ぬまでに一度は見てみたい作品と言えるだろう。
(文:ミッチェル横山 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)