J-POPバンドのTHE ALFEEには発売禁止となった曲が1曲だけ存在するという。
それはTHE ALFEEが「Alfie(アルフィー)」という名前で活躍していた1975年。正当なフォークを目指すあまり、ヒットを飛ばすことのできなかったAlfieは、所属事務所の意向でコミックソングを歌うことになった。
タイトルは『府中捕物控』(作詞作曲:山本正之)という曲であり1975年当時、時効をむかえつつあった三億円事件をパロディにしたものであった。
レコーディングやプレスなどは既に終了しており、あとは発売(三億円事件の公訴時効日)を待つのみであったが、発売日前日、『府中捕物控』は突如リリース中止となってしまう。
理由は「(不謹慎な歌は)社の良識に合わない」「警視庁からのクレームを避けるため」など様々な噂が流れたが、どれもハッキリした理由は明かされていない。
この件を受けてAlfieは 所属事務所との契約を打ち切り、1979年の再デビューまでライブハウスを転々とする生活を続けたという。
その結果、「自分たちの曲は自分たちで作る」という考えがメンバーに芽生え、現在に続く『THE ALFEEサウンド』を作り出した。
なお『府中捕物控』の曲調は作曲者の山本正之がアニメ『タイムボカンシリーズ』の音楽を担当していたこともあり、今のTHE ALFEEからは想像のできないユーモアにあふれた曲だった。
コミックソングを高らかに歌うTHE ALFEEも見てみたかったような気がするが・・・。
ちなみに『府中捕物控』はデビュー40周年記念のアルバムにてボーナストラックとして初公開。現在はカラオケも配信されている。
(文:ミドルサイズパンダ ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)