ATLAS常連の「わんだぁじげん」さんから実体験の投稿をいただいたので紹介したい。
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六年ほど前の話ですが、僕の当時勤務先であった小学校で放課後教室の勉強を教えに行っていた頃の話です。
初めての勤務の日でした。
その日、五十人ほどの数だった生徒たちへの挨拶を済ませたあと、勉強を始める前にトイレに行きたい生徒が居るだろうと思い、みんなをトイレに行かせました。
教室の入り口すぐの場所で待っていた僕は、しばらくしてクラス全員が戻ってきたかどうか、改めて人数確認をしようと何気なく教室から廊下に出ました。
すると、後ろ姿でしたが、小学一年生ぐらいと思われる真っ黒おかっぱのヘアスタイルで、何か古めかしい感じの制服を着ていた女の子が廊下の突き当たりまでゆっくりと歩いて行くのです。
僕は、「おーい!放課後教室は、こっちだよ~、どこに行くの?」と、その女の子に廊下に少し響くほどの大きさで声を掛けました。
すると、ひとりの生徒が「先生、どうしたの?」と僕に聞いてきたので、「おかっぱみたいな髪型の女の子、知ってる?ほら、あの女の子やねん」と言いました。
そして、質問をしてきた生徒と一緒に確認しようと今一度、廊下に出てみるとそこには今までいたはずの女の子がどこかに消えてしまいました。
再度、自分自身で人数確認をしたり、他の先生からも「全員戻ってます」と聞かされたとたん、寒気を感じました。
後で知ったことなんですが、当時の何人かの生徒が教えてくれた話では、夕方ぐらいになるとその女の子がたまに現れていたそうなんです。
自分でもいろいろと調べたのですが、どうやらその場所というのが、昔、戦争で被害にあった校舎だったようです。
きっとたくさんの避難者たちがいて、そのうちのひとりである、あの女の子は今も学校を楽しむかのように校舎中を歩き廻っているのかもしれません。
(投稿:わんだぁじげん)