世界中には、どのようにして造ったのか解らない巨石を用いた建造物が多く存在している。
エジプトのピラミッドやイギリスのストーンヘンジもどのように造ったか永らく不明とされていた。
また、レバノンに存在する古代ローマ時代の遺跡の中には、「バールベックの巨石」と呼ばれる切り出された巨大な石が存在している。
その大きさは約20メートル、重さは約2000トン、恐らくバールベック遺跡に存在する、神殿などの建材として作製されたものと見られているが、どのように切り出し、また運んでいたのか正確な所は不明となっている。
このように、人の手が加わった物である事は間違いないのだが、どのようにして建造したのか解らない巨石を用いた遺跡として新たに発見され、報告されたものがロシア連邦のゴルナヤ・ショリアである。
ゴルナヤ・ショリアの超巨石構造は、2014年にシベリア山脈南部への調査中に偶然発見された。
この遺跡はいずれも規格外の大きさの花崗岩を組み合わせて造られており、石垣や回廊状になっている箇所、また巨石を切り出した跡や巨石の上にまた巨石を組み上げた跡など明らかに人の手が加えられた痕跡が存在している。
しかし、この遺跡を構成する石のブロックはバールベックの巨石より遙かに大きく、重さも3000から4000トンはあるものと見られている。
到底人力では建造不可能な規模なのだ。そのため、ギリシャ神話等に登場する鍛冶の腕に長けた一つ目の巨人族サイクロプスが造ったのではないか、等という説もある。
また、ゴルナヤ・ショリアの遺跡では、不思議なことにコンパスが異常な動きを見せる、という点も報告されている。巨石の方にコンパスを向けると、針が石から逸れるように動くのだ。
果たして、この遺跡はなんなのだろうか。自然に崩壊し、ブロック積みのようになった岩に更に手を加えたのでは、とする意見もあるが、まだ発見されて間が無いこと等から長期の調査が必要な遺跡となっている。
古代人が、我々の知らない方法で巨石を組み上げたのか、それとも本当に巨人族が存在していたのか?更なる調査結果に期待したい遺跡である。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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