【妖怪ウォッチ研究序説】これぞ古典妖怪!いたずら好きな妖怪の代表格「一つ目小僧」

※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。




誰もが思うかべる「妖怪」のなかに間違いなく入っているだろう、昔から現在に至るまで広く知られている妖怪のひとりが一つ目小僧だろう。

妖怪ウォッチでは「元祖」限定ののっぺらぼうと対応する形で、「本家」限定で出現する妖怪として設定されている。

「一つ目」という特徴をもつ妖怪は数多くいるが、一つ目小僧には大がかりな悪事を働いた、とするような伝説はない。

妖怪ウォッチの大辞典にある通り「出たら驚かれるぐらいのほとんど無害な妖怪」といえるだろう。やることも子供のイタズラ程度のものがほとんどだ。




一つ目小僧にまつわるこんな話が残っている。昔、現在の東京都にあった武家屋敷でのこと。

ある商人がこの武家屋敷の住人と商いをして、後日に代金を受け取りに訪れた。客間に通されて待っていると、一人の子供が入ってきて、床の間にある掛け軸をくるくると丸めて上げてはパラリと落とす、というイタズラを繰り返し始めた。

どうやらこの家の子供らしいが、あまりイタズラを繰り返されては掛け軸が傷んでしまうだろうと考え、商人は床の間で遊び続けている子供の背中に向かって止めるように注意した。

すると、子供が「黙っていよ(だまってて)」と言って、初めて商人の方を振り返った---子供の顔には目が一つしかなく、驚きのあまり商人は失神してしまったという。

(黒松三太夫  ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)

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