サブカル

カトケン名物「ヒゲダンス」誕生のきっかけとなったある人物の存在

ザ・ドリフターズの伝説の番組『8時だョ!全員集合』の大人気コーナーといえば「ヒゲダンス」。

加藤茶と志村けんが付けヒゲ顔に燕尾服を身にまとい、両手を腰脇で上下させながら、通称「ヒゲのテーマ」に合わせて移動するシュールな姿と、ほぼ無言のまま進行していくお笑い要素の加わった大道芸が絶大な人気を誇った。

よく知られているものでは、一方がグレープフルーツを放り、もう一方がフェンシングのサーベルでそれを貫く、水の入ったバケツやタライを遠心力で水が落ちないように振り回す、などがある。

「ヒゲのテーマ」は、志村自身がプロデュースし、全員集合の音楽を担当していたたかしまあきひこによって編曲され、何度もCD化されて大ヒットをした。だが、この「ヒゲのテーマ」は全員集合オリジナルではなく原曲が存在。

元となったのは、アメリカのR&B歌手であるテディ・ペンダーグラスの『Do Me』という曲。1979年発売のアルバム「テディ」に収録されている曲であり、このベースラインが「ヒゲのテーマ」でアレンジした形で使用されたというわけだ。

ドリフはそもそもコミックバンドグループであるため、楽器や音楽についてはある程度知識はあったが、特に志村はビートルズをはじめとして最新のソウルミュージックにも造詣があったという。

ヒゲダンスのコーナーそのものも「ヒゲをつけて、無言で音楽だけでコントができないか」という志村の発案が最初であったという。加藤いわく、志村はキチっと自分で考えたものをやらないと気が済まない性分だったという。

このヒゲダンスの影響力は強く、多くのバラエティ番組でもパロディとして行なわれるほか、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲「PONPONPON」や、ももいろクローバーの楽曲「Chai Maxx」のプロモーションビデオにて、ヒゲダンスのパロディが行なわれている。

因みに、放送当時にゲスト出演した俳優の三船敏郎が、このヒゲダンスをアドリブで披露したことでメンバーたちを驚かせたこともあった。

ところで、そもそもこのヒゲダンスの「ヒゲ」はどこからきたのだろうか。実は、きっかけとなったのは俳優・声優などで活躍した藤村俊二だった。

「おヒョイさん」という愛称でも知られた藤村は、全員集合当時、ギャグアドバイザーとしてスタッフとして参加していた。その藤村の手荷物の中に付けヒゲがあり、それを使用したことから付けヒゲのスタイルが出来上がったという。

なお、かつて藤村は振付師をやっていたこともあった。そのため、ヒゲダンスのあの動きの”振付”をしたのは藤村だと言われていたこともあったらしい。ただ、これについては本人によって否定されている。

【参考記事・文献】
https://citizen-journal.link/syunjihujimura2/
https://hokumogu.com/drifters-hige-dance/
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/05/25/kiji/20200525s00041000394000c.html

【アトラスニュース関連記事】
「志村けん」かつて世間を騒がせた死亡説と現在密かに囁かれる生存説

加藤茶が暴露!70年代「ザ・ドリフターズ」には幻のメンバーが存在した…

【文 ナオキ・コムロ】

画像『たかしまあきひこ&エレクトリック・シェーバーズ / 「ヒゲ」のテーマ ※ ドリフターズ 加藤茶 志村けん