実在したのか、伝説上の存在なのか…ソロモン王すら魅了した「シバの女王」

旧約聖書を初めとする様々な文献には謎めいた伝説の美女が登場する。権力者すら虜にする美貌を持ち、広い国土を治めていた優れた統治者でもあったとされる「シバの女王」だ。

彼女の名前は伝わっておらず、「シバ(ShebaないしはSeba)」というのは彼女が治めていた国の名前である。イスラム教の聖典コーランにはビルキス、エチオピアの伝承ではマケダという名前だったとされているが、彼女本人の名前は特定に至っていない。



それだけでなく、シバの国の場所もまた特定されていないのである。アフリカ大陸に伝説が多いことから、エチオピアなどアフリカ大陸のどこかに存在するのではないかと考えられていたが、現在ではイエメンにあったと考えられ、イエメン南部のマーリブ周辺から発見された遺跡がシバの国に該当するのではないかとされている。

シバの女王の伝説で有名なものは、古代イスラエル王国を治めていたソロモン王と謁見したというものだ。彼女は金銀財宝を初めとする多くの財宝や貴重な品々を携え、多数の従者と共にソロモン王の元を訪れた。

一説には、彼女がイスラエル王国を訪れたのは彼の叡知を試すためだったとも考えられている。彼女と対面したソロモン王はその才気と美貌に惹かれてしまい、彼女を説得して子供をもうけた。この子供が後にエチオピアに存在したアクスム王国の皇帝メネリク1世となり、彼女らが帰還する際にユダヤの秘宝である「契約の箱」がエチオピアへもたらされたと現地の伝説に残っている。




現在では前述の通り、シバの国に関連するとみられている遺跡も多数発見されているため、伝説上の存在から実在した国へと認識が変わってきているが、シバの女王が存在したかについては未だに不明となっている。統治者だったのか、優れた外交官だったのか。

いずれにせよ、過去から現代に至るまで人々を魅了している存在なのは間違いないと言えるだろう。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像『ソロモンとシバの女王 [DVD]』ジャケット写真より

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