宏観異常現象のひとつに「地震雲」というものがある。阪神淡路大震災や東日本大震災の前にも「あれは地震雲だったのだろうか」とする話が出たり、震災の後に「これは地震雲では? 近隣の人は注意して下さい」という不思議な形の雲の写真が付いたメールやTwitterがよく流れたりした。
だが、中には時間が経過し幅広になった飛行機雲や少し形の変わった雲を地震雲としているものもある。
では、地震雲とはそもそもどういう雲なのだろうか。
地震雲は地震の前に発生する長く太い帯状の雲で、これが下の方にあり空に長く残る時は近く、高くにあると遠方で地震が起きるとされている(いずれも帯雲の直角線上または延長線上)。また、真っ直ぐ立ち上った巻き雲が出る時はすぐに比較的強い地震が起きる、赤い帯状雲も大きな地震の前兆とされている。
地震雲が発生するしくみについては、震源付近の岩盤から発生した電子波により空気中にイオンが発生、これを核として空気中の水分が凝集、雲が形成されるのではないかと考えられている。
しかし、地震雲で本当に地震予知が可能かというと、未だサンプル数が少ないこと、他の雲と見分けが付きづらいことなどから疑問符が付かざるを得ない。今後、信頼性のおけるサンプルが集まれば結果が出てくることになるだろう。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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