血の涙を流す、という言い回しは創作の世界で誇張表現や比喩表現として用いられるが、実際に血の涙が出てしまうという症例が存在している。
先日、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディカル(New England Journal of Medicine)に掲載された報告書によると、52歳男性は血液が目から流れ始めたため、急患として病院にかかることになった。普通、大量に出血していた場合、眼球やまぶたの傷を疑うものだが、奇妙なことに男性の視力は正常で、眼球を動かすこともできたし、顔には何の傷跡もなかった。
医師による診療の結果、男性の両眼瞼の後ろに良性腫瘍が存在しており、ヘモクラクリアという症状の原因となっていることが判明した。
報告書によると、「ヘモラクリアは涙の中に血が存在する極めてまれな症状。涙に伴う出血は、感染症、炎症、または眼球とその周囲の血管腫瘍、または逆行性鼻孔症の外傷などの状況で生じ得る。今回はまぶたに血管腫が存在していたことが要因になっていたため、患者にチモロール点眼薬を使用。治療ら1年後、血の涙が出るような症状は改善された」とのこと。
同様の症状に悩まされる人は他にも存在しており、インド東部ビハールハス州のSaharsa地区在住の21歳の女性が、この症状のために魔女と言われ、夫と離婚せざるを得なくなったという。
人によって原因が違うため、治療や診断が困難になることもあるそうだが、迷信には踊らされないで欲しいと医療関係者は語っている。
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(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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