ロシアには、50年以上経った現在でも未解決となっている謎の殺人事件の記録が存在している。
1959年1月27日、当時のソ連領スペルドロフスク州北部のオトルテン山に向けて当時23歳のイーゴリ・ディアドロフを初めとする9人の大学生がスキーのために入山した。だが、予定の日になっても彼らは下山してこなかったため、2月に入って軍と警察による大規模な捜索が行われた。
すると、半壊した彼らのテントと行方不明になった大学生のうち5人を発見。残る4人は5月の捜索で発見されたが、彼らの状況は遭難と言うには非常に不可解なものであった。
まず、テントは雪崩などで半壊状態になったのではなく、内側から切り裂かれており、彼らは雪深い山の中へ、着の身着のままで飛び出していたことが判明していた。
また死骸も何者かによって殺害されたような状況で、頭部や肋骨に骨折のあとが見られる者や、眼球や舌が引き抜かれていた者など、どの遺体にも惨たらしく損壊していた。また衣服からは高濃度の放射線が検出されたという。
彼らは2月はじめまでは生存していたようで、2月2日の日記には彼らがテントの中に身を潜めて森の様子をうかがっていた事が判明している。
また、彼らの中にはカメラを持参して登山していた者も何人かおり、現場に残されたカメラのフィルムには謎の発光体が写っていた事が判明している。また事件当日、現場から50キロ離れた所でトレッキングをしたいた一行が、学生らの入った山の方角の空にオレンジ色のUFOらしきものを目撃している。
ただの遭難事故とは思えないこの事件だが、僅か数年で捜査は中断され、国家機密とされてしまった。事件が明るみに出たのはソ連が解体されロシアとなり、1990年代になってからであった。
謎の多い事件であるが、死体の状況から経験に乏しい彼らが凍傷にかかり、最終的にパニックを起こして衰弱した状態でテントから出てしまい、凍死したのではないかという説が出ている。後で発見された人の方が死骸の損壊具合が激しいのも、時間が経って腐りやすい部分が無くなったり、鳥などの動物に食べられてしまったのではないかとされている。
しかし、それでは彼らが撮影した謎の発光体の写真や、服から検出された高濃度の放射線などの説明がつかないため、もしかすると彼らは山中でUFOや宇宙人に遭遇し、犠牲になってしまったのではないかという説も出てきている。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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