※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。
妖怪ウォッチで出てくる妖怪で、今でも現役で活躍している妖怪の一人がこのなまはげかもしれない。
鬼のような外見でナタを振り回す様子はゲーム中でも「悪い子イネガー」と必殺技になっている。ちなみに良い子か悪い子かの目安は、交通ルールを守るかどうかで再現している(一定回数信号無視すると、なまはげが現れてバトルになる)。
また、最新作の「妖怪ウォッチ3」では凶暴さを抑える仮面を外して本性を露わにした「なまなまはげ」も登場する。
本来のなまはげは、秋田県男鹿半島に伝わる鬼の姿をした神様のお使いだ。恐ろしい姿をしているが、邪気やけがれを祓うといわれ、男のなまはげは赤の、女のなまはげは青の面をかぶり、蓑や腰巻きをつけ手にナタやおけ、御幣を持った姿で現れる。
2,3人一組で行動し、毎年12月の大晦日に里に下りてきては、家を一軒一軒尋ねて回る。そして、迎えられた家に七回四股をふんでから上がり、「泣く子はいねか、怠け者はいねか、親の面倒を見ない嫁はいねか」と探し回る。つまり、くしゃ武者となまはげがセットでやってくるのが本来のなまはげなのだ。
ちなみになまはげの名前は「なもみはぎ」が由来になっているという。「なもみ」とは囲炉裏の火に長時間あたることで出来る低温やけどのことで、冬場に働かない怠け者の足にできやすい。
つまり、なまはげは子供のしつけと、怠け者をこらしめるためにやってくると考えられていたのだ。
(黒松三太夫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)