渋谷区にある西洋屋敷。ここは呪われた屋敷として地元では知られています。
30 年程前一家皆殺しの惨劇があった場所なのです。渋谷駅前の雑踏とは離れている為か、夜となると不気味なので誰も近づきません。ところが、ある4人組みの男女が肝試しに忍びこみました。
屋敷に入るとすぐに老婆がひっこりと奥から出てきたのです。
「あなた方なんですの?」
どうやら管理人さんのように見えます。『しまった、警察にでも通報されちゃあまずいよな』、リーダー格のKさんが取り敢えず場をつくろいました。
「すいません。半分冗談でこんな事しちゃいまして・・・僕達決して悪気があってこん・・・」
ところが突如、老婆の姿が目の前から消えてしまったのです。まるで煙のようにフッといなくなったのです。
「あの婆さん、どこに行ったんだ」「怒って出ていったのか?」
4人は騒ぎ始めました。そのうち、一番怖がりのH子が一枚の写真を拾いました。5人の姿の写った古ぼけた家族写真でしたが、なんとそこにはあの老婆がにこやかに写っていたのです。
ああ、あの老婆は死人だったんだ。4人全員の顔色が変わりました。もはやパニックです。4人は狂ったように出口に向かって殺到しました。でも開かないのです。何故か、最初簡単に侵入できた入り口のドアが開かないのです。
「どうして開かないんだ」「誰か早く開けてよ」
恐怖はピークに達しました。その時です。背後から声が聞こえたのです。
「冗談半分で私達、こんな姿になったんではないの」「悪気がないじゃすまないよ」
4人がそっと振り返ると、そこにはさっきの家族写真の5人がいたのです。
只ひとつ、写真と違ったのは全員が生首だったのです。
(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)